
「ビルトインガレージとガレージハウスって…結局どう違うの?」ガレージ付きの注文住宅を検討していると、こんな疑問にぶつかる方は多いはずです。
ネットで情報を集めていると・・・
「ビルトインガレージ」という言葉もよく見かけるけれど、「それってガレージハウスと同じなの?別物なの?」と、頭の中がこんがらがってくる…。
実はこの2つ、似ているようで目的や設計思想にしっかり違いがあるんです。
この記事では、そんな混乱をスッキリ解消できるように、
- ビルトインガレージとは何か?
- ガレージハウスとはどう違うのか?
- それぞれのメリット・デメリット
- どちらが自分の暮らしに合っているのか?
といったポイントをわかりやすく比較・解説していきます。
「車を守るだけじゃなく、暮らしも楽しめる家を建てたい」そんなあなたのために、後悔しないガレージ選びのヒントをお届けします。
ビルトインガレージとは?
「ビルトインガレージ」とは、その名の通り建物の中に“組み込まれた”ガレージのことを指します。
住宅の一部を車の収納スペースとして活用する設計で、都市部や狭小地でも効率的に車を保管できるのが魅力です。
ガレージと住空間が一体化している点ではガレージハウスと似ていますが、目的や設計の考え方には明確な違いがあります。
ここでは、まずビルトインガレージの定義と特徴を、具体例を交えながら解説していきます。
定義:建物の一部にガレージを組み込んだ構造
ビルトインガレージとは、建物本体の1階部分や地階などにガレージスペースを設けた住宅のことです。つまり、家の“外”に独立した車庫を設けるのではなく、家の“内側”に車の収納空間を取り込む構造です。
特徴的なのは、ガレージが生活空間と同じ構造体に含まれているため、外観上も一体感があり、設計次第では敷地を有効活用できるという点です。
一般住宅+ガレージの機能的設計
ビルトインガレージの設計は、あくまで「一般住宅の延長としてのガレージ」という考え方が基本です。
主な目的は、
- 車の保管場所としての確保
- 雨の日でも濡れずに出入りできる動線確保
- 都市部の限られた敷地を最大限に活かす空間効率
といった機能性を重視した住宅設計にあります。
そのため、ガレージ部分は最低限のスペースで設計されることが多く、「趣味空間」や「生活の中心」として使うことはあまり想定されていません。
よくあるパターン(1階部分の一部が車庫など)
ビルトインガレージで最も一般的なのが、住宅の1階の一角に車1台分のスペースを設けるスタイルです。
よくある事例として・・・
- 木造2階建ての1階の半分がガレージ、残り半分が玄関や収納
- 都市型住宅で建ぺい率ギリギリを有効活用するための配置
- 地階(半地下)にガレージ+1階がリビングという構成
このように、ガレージをあくまで“住宅の一機能”として設計するのがビルトインガレージの特徴です。
コンパクトで実用的な暮らしを目指す方には、とても理にかなった選択肢と言えます。
ガレージハウスとは?
ガレージハウスとは、単に「車を置くスペースがある家」ではありません。ガレージそのものを“暮らしの一部”として考える住まいです。
ビルトインガレージが“機能性重視”の設計であるのに対し、ガレージハウスは“ライフスタイル重視”、つまり「車と暮らす」「趣味と暮らす」を叶える空間設計が特徴です。
ここでは、ガレージハウスの定義や傾向、実際の間取り例などを通して、その魅力を詳しくご紹介します。
定義:ガレージを中心に住空間と一体設計された住宅
ガレージハウスとは、住まいの中心にガレージを据え、生活空間と一体化させて設計された住宅を指します。
車やバイクを“保管する場所”ではなく、“暮らしを楽しむためのパートナー”としてとらえた設計思想が特徴です。
たとえば:
- ガレージとリビングがガラス越しにつながっていて、愛車を眺めながら過ごせる
- 趣味の道具を整備・保管できる空間としてガレージを活用
- 土間や中庭を介して屋内外がスムーズにつながる設計
など、「車と共に暮らす空間」を実現する、こだわり派のための住宅スタイルとも言えます。
「趣味」「デザイン性」「ライフスタイル重視」の傾向
ガレージハウスを選ぶ人の多くは、車やバイクに対するこだわりはもちろん、家そのものに「自分らしさ」を求める傾向があります。
よくある特徴は:
- 趣味や仕事と住まいを融合させたい(ガレージ兼ワークスペースなど)
- デザイン性の高い外観・内装にこだわりたい
- 土地や広さよりも、自分の世界観を重視したい
つまり、「家をただの箱ではなく、ライフスタイルを表現するステージにしたい」という人に選ばれるのがガレージハウスです。
よくある間取り例や使い方の幅(DIY・バイク・趣味空間など)
ガレージハウスの魅力は、使い方の幅広さにもあります。
よくある間取り・活用例
- 1階がガレージと土間リビング、2階に寝室や水回りを集約
- ガレージ+趣味部屋(バイク・釣り・キャンプ用品)として利用
- ガレージを半屋外的に使い、友人とBBQやDIYを楽しめる多目的スペースに
また、車好きに限らず、
- 音楽スタジオとしての防音空間
- 撮影やクラフト作業のアトリエ
このように、発想次第で自由自在な空間活用ができるのも魅力の一つです。
関連記事-ガレージハウスの魅力とは?そのメリットを徹底解説します
ビルトインガレージとガレージハウスの主な違い一覧
ここまでの内容で、それぞれの特徴が見えてきたかと思いますが、「違いを一目で把握したい!」という方のために、主要な項目を表にまとめました。
構造・目的・デザイン性・暮らし方・コスト感など、比較のポイントを整理してみましょう。
– | ビルトインガレージ | ガレージハウス |
---|---|---|
定義 | 建物の一部にガレージを組み込んだ構造 | ガレージを中心に生活空間と一体設計された住宅 |
構造 | 一般住宅の1階や地下に車庫スペースを設ける | 建物全体がガレージを含む設計思想で構成されている |
目的 | 車の保管・雨風対策など実用性がメイン | 車・バイクとの暮らしや趣味空間としての活用 |
暮らし方 | 居住空間とガレージは分かれがち | リビングや趣味部屋とガレージが一体化している |
デザイン性 | シンプル・機能的 | 趣味性・個性を反映した外観・内観が多い |
コスト | 比較的安価/効率重視の設計 | 趣味性・仕様によりコストが高くなりがち |
自由度 | 敷地条件や構造により制約が出やすい | 土地に余裕があれば自由な間取り・設計が可能 |
おすすめタイプ | 都市部・狭小地・効率重視の方 | 趣味やデザインにこだわる/車と暮らしたい方 |
この比較表を見ると、ガレージハウスとビルトインガレージは似ているようで全く異なるコンセプトを持っていることがわかります。
「車をしまう場所」ではなく、「暮らしとつながる空間」を求めるなら、ビルトインガレージよりガレージハウスの方が相性が良いかもしれません。
それぞれのメリット・デメリットを整理
ビルトインガレージとガレージハウス、どちらも魅力的なスタイルですが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った選択をすることが大切です。
ここでは、実際の住まいづくりで後悔しないために、両者の特徴をあらためて整理しておきましょう。
ビルトインガレージ
メリット:
- コンパクトにまとめやすい
→ ガレージ部分が建物内に収まるため、都市部や狭小地でも効率よく建てられます。 - 敷地効率が良い
→ 車庫スペースを別に設ける必要がなく、限られた土地を有効活用できます。 - 防犯性・雨対策にも有利
→ 外からの視線を遮れたり、雨の日でも濡れずに出入りできたりと、実用性に優れています。
デメリット:
- 設計の自由度が制限されやすい
→ ガレージスペースが家の一部を圧迫するため、居住空間とのバランスに工夫が必要です。 - 趣味性はやや低め
→ 車の収納には適していても、ガレージを“楽しむ空間”として使うにはやや機能的すぎる面もあります。
ガレージハウス
メリット:
- 設計・間取りの自由度が高い
→ ガレージを中心にライフスタイルに合わせて空間を構成できるのが魅力。 - デザイン性を追求しやすい
→ ガラス張りや吹き抜け、土間空間など、外観・内観に個性を出しやすい設計が可能です。 - 趣味空間として活用できる
→ バイク・DIY・アウトドア・音楽など、好きなことを詰め込める“自由な基地”にもなります。
デメリット:
- 建築費が高くなる傾向
→ ガレージの構造強化やデザイン性、設備へのこだわりでコストが上がるケースが多いです。 - 広めの敷地が必要
→ ガレージ+居住スペースをしっかり確保するには、ある程度の土地の広さが求められます。
それぞれに魅力と課題がありますが、「効率と実用性を重視したい」ならビルトインガレージ、「車や趣味とともに暮らす理想を形にしたい」ならガレージハウスが向いていると言えます。
どっちが自分に合っている?選び方のポイントとは?
ここまで読んで「どちらも良さそうで迷う…」という方も多いのではないでしょうか?ビルトインガレージもガレージハウスも、それぞれに魅力があり、選び方に正解はありません。
大切なのは、あなた自身の暮らし方や価値観に合っているかどうかです。ここでは、選び方のヒントになる3つの視点を紹介します。
車を「保管」する?「楽しむ」?
まず考えてほしいのが、「車やバイクとの関わり方」です。
- ビルトインガレージ向きの人
→ 車はあくまで移動手段。雨風から守れればOK。シンプルに機能性を求めたい人。 - ガレージハウス向きの人
→ 車やバイクを“暮らしの一部”として楽しみたい。眺めたり整備したり、趣味性も重視したい人。
「車をしまえれば十分」か、「車と一緒に過ごす時間も大切にしたい」のか・・・この価値観の違いが、ガレージ選びを大きく左右します。
土地の広さ・立地条件・予算とのバランス
次にチェックすべきは、土地や予算との相性です。
- ビルトインガレージは、限られた土地でも効率よく設計しやすく、都市部や狭小地に強い構造。
- 一方ガレージハウスは、ゆとりある敷地を活かした空間設計に向いているため、郊外や広めの土地向き。
また、コスト面でも差が出るため、「全体予算に対してガレージにどこまで投資するか?」というバランス感覚が求められます。
家族のライフスタイルとマッチするかどうか
最後は、「そのガレージが、家族にとって本当に必要なものか?」という視点です。
- お子さんが小さければ、雨の日の出入りやベビーカー収納に便利なビルトイン
- 家族でキャンプやDIYなどを楽しむ家庭なら、多目的に使えるガレージハウスがフィット
- 奥様の動線・収納計画とのバランスをどう取るかも意外と重要です
家族全員の“使い勝手”や“楽しさ”が揃ってこそ、満足度の高い住まいになります。
違いを理解して後悔のない選択を!
ビルトインガレージとガレージハウスは、どちらも「車と暮らす」という目的を持った魅力的な住まいです。
しかしその中身をよく見てみると、空間の使い方、暮らし方、設計の自由度や予算感まで、考え方には大きな違いがあります。
- 限られた敷地で機能性を重視したいなら、ビルトインガレージ。
- 趣味やデザイン性も楽しみながら、愛車と暮らすスタイルを追求したいなら、ガレージハウス。
どちらが正解かではなく、どちらがあなたのライフスタイルや理想にフィットするかが一番大切です。
家づくりは一生に一度の大きなプロジェクト。
だからこそ、ガレージに何を求めるのか、どんな暮らしをしたいのかをしっかり言語化し、理想と予算のバランスを冷静に見つめながら「後悔のない選択」をしてほしいと思います。
もし迷っているなら、まずは建築のプロに相談してみるのもおすすめです。
図面や土地の形状に合わせて、どちらのスタイルが実現しやすいか具体的にアドバイスがもらえるはずです。
ぜひ今回の記事をきっかけに、あなたにぴったりのガレージスタイルを見つけてください。そして、車も暮らしも楽しめる“最高のマイホーム”を叶えていきましょう。